人事・労務の本

【人事担当者になったら必読】人事・採用の仕事に役立つ実務書8選

人事 本

社会保険労務士事務所や一般企業の人事部門で働く場合、

  • 人事の仕事ってどう勉強したらいいの?
  • 採用とか教育に関する本は何がオススメなのだろう?
  • 人事に関する基本的な理論や、考え方を知っておきたい

このように悩む方は多くいるのではないでしょうか。

今回は人事の仕事に役に立つ本を8つに厳選し、ご紹介いたしますのでぜひチェックしてみてください。

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私は社会保険労務士として人事業務(採用計画・人物像の設計)の経験があり、転職先のメガベンチャーでクライアント企業の採用戦略に携わっております。そんな私が現場でのインプットに役立った「これだけは!」な本を紹介します!

この記事でお伝えできること


  • 人事担当者になったらまず読んでいただきたい教科書的な2冊
  • 人事のプロフェッショナルを目指すための4冊
  • データ分析等実務能力を引き上げるための2冊

人事担当者なら読んでおきたい教科書(赤本・青本)

人事の仕事は、マクロな視点では会社全体を動かすための組織管理であり、ミクロな視点では部署やチームにおける人材配置のマネジメントが求められる重要なものです。

パナソニックの創業者である松下幸之助さんが「企業は人なり」と語られているように、働く人の姿勢や考え方一つで、会社は良い方向にも悪い方向にも傾いていきます。人事は、その「人」の舵取りをするポジションになりますので、

「人事」とはなにか?「人」に関する本質を知っておかなければ、組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

まずは、人事の仕事をする上で読んでおきたい本を2冊紹介します。

人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。

いわゆる「赤本」として、人事の仕事をする上で知らないと損をする基礎が学べます!

人事担当者が仕事をする上で必要な価値観やマインドセットから、実際現場での人員計画から採用実務、人事評価の仕組みといった具体的な実務の勉強ができる一冊です。

人事という仕事は「人」を通じてどのように組織に貢献できるのか?どのような仕事が求められているのか?という基本を知ることができますので、非常にオススメです。

このような方はぜひご一読ください!
  • 会社における「人事部」が、どのような役割を担っているのか知りたい
  • 人事に関する一連の仕事を勉強したい
  • これから人事部に配属するに当たって、心構えをしたい

人事担当者が知っておきたい、8の実践策。7つのスキル。

先程の「赤本」を読んだ方が、現場スキルを磨くための「青本」になります!

先程紹介した「 人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。」は知識を深めるために役立ちますが、こちらの青本は現場で知識を使うための知恵を身につけることができます。

採用計画から選考フロー、従業員との面談手法や現場とのコミュニケーションの取り方といった、日々の実務で役立つノウハウが詰め込まれています。

人事業務における「人材配置・採用、選考・人事制度・労務トラブル・人材育成」と一通り必要なスキルが現場目線で書かれているため、これから人事業務を始める人だけでなく、経験を積んでいる途中の方も一読する価値はあると思います。

このような方はぜひご一読ください!
  • 人事部の現場を知りたい
  • 人事を極め、プロフェッショナルになりたい
  • 人事担当者に求められるビジネスマインドを磨き込みたい

プロフェッショナルな人事担当者になるための5冊

「ヒト・モノ・カネ・情報」と呼ばれる4つの要素は経営資源と呼ばれています。

この中でも「ヒト」は全ての経営資源の最終的な役割を担っており、ここに左右されると言っても過言ではありません。

「モノ」を作るにしても、売るにしても「ヒト」の手は必要ですし、

「カネ」を運用するにしても、管理するにしても同様に「ヒト」がいなければできません

この「ヒト」を最大限活かすための役割を全うするためにも、人事の仕事は様々な知識が必要になりますので、人事のプロフェッショナルになるためにオススメの5冊を紹介いたします。

人事こそ最強の経営戦略

経営を考える上で「人材活用」は必要不可欠なテーマであり、人事の使命は「人財の価値最大化」です。そのため”人事”は重要なポジションと言えます。

こちらの本は表紙にも書かれている通り、「グローバル人事」の手法について解説がされています。

中小企業の人事部で働いていると「グローバルな人事は大企業の話であって、自分たちの規模には関係がない」と思いがちですが、

  • 様変わりするビジネスの現場では、多種多様な考え方やノウハウを仕入れる必要がある
  • 日本だけでは少子高齢化による人材・労働力不足が近い未来に訪れる

この理由から、日本の中小企業においてもグローバル人事の考え方を取り入れる必要があるのです。また、人事をグローバル化するためには国籍の壁を破り、全社員が信頼関係を持てる力強い組織になることが求められます。実現するための組織開発の手法についても語られており、どの企業にも参考になる考え方ではないでしょうか。

幅広く人事マネジメントを学ぶ際にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

このような方はぜひご一読ください!
  • 今後人材採用においてもグローバル化を考えている企業の人事担当者
  • 組織開発を進める上でのヒントがほしい経営者・人事責任者
  • グローバル人事の成功事例を仕入れたい

パーパス・マネジメント ―― 社員の幸せを大切にする経営

「社員が幸せだと、会社の業績は間違いなく上がる」理想論に聞こえますが、楽しく働ける環境の方が誰だって良いですよね。

どのような会社にも、ミッション・ビジョン・バリューといった会社の方針や在り方が決められていると思いますが、パーパスという存在意義を経営の指標にするケースが増えてきています。

本書では、

  • 従業員満足度が高い≠生産性が高まる
  • 従業員幸福度が高い=生産性が高まる

とデータに元に相関関係が定義がされていますが、「給与は高いけど、面白くない仕事」と「給与はそこそこだけど、楽しい仕事」だと、後者の方が作業効率上がると思いませんか?

人事に関わる方は一度目を通していただき、従業員の幸せを追求し結果として企業が成長できるような人材マネジメントを検討してみてはいかがでしょうか。

このような方はぜひご一読ください!
  • マネジメントの在り方、やり方を見直したい
  • 組織をポジティブな風土に変えていきたい
  • 勤め先の会社で働き続けていいのか、不安

HBR 人材育成・人事の教科書わかる 人材マネジメントの基本

ガチガチな目標設定・年間を通じての人事評価ではなく、リアルタイムフィードバックが重要(アジャイル型の人事)であるとされています。

時代が変化するに連れ、仕事の進め方や在り方も変わっていきます。しかし、日本企業の多くはこの変化を受け入れることなく、今まで通りの人事制度になっているケースが多いと思います。

ネットフリックスには人材管理の考え方として「自由と責任の規律」がありますが、

なぜ従業員が魅力的に感じ、定着しているのか?高いパフォーマンスを維持できているのか?

人材育成を考える際に非常に参考になる事例が紹介されています。

このような方はぜひご一読ください!
  • 成長した企業がどのように人材マネジメントを行ってきたのか知りたい
  • 時代の流れにあった人事管理の手法を学びたい

「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?

組織の人材をセグメントに分ける考えは、目からウロコでした。

人事は「従業員の退職」に対応しなければなりませんが、実際退職理由を正直に話してくれる人は稀で、会社として人材流出をどう止めればいいのか頭を悩ませることはあるでしょう。

こちらの本では、働く従業員を次の5つのカテゴリーに分類し、

  • 優秀な人材
  • ハイポテンシャル人材
  • 立ち上がり人材
  • 普通人材
  • ぶら下がり人材

どの層のマイナス感情を解消すると効率よく会社全体にプラス効果が生まれるのかを考える

プラスの施策は当たり前になってしまうので、マイナス感情を減らす取り組みが重要である

と解説されています。

具体的な打ち手もありますので、組織活性化を図りたい人事担当者にはうってつけの本といえます。

このような方はぜひご一読ください!
  • 従業員の退職に疲れている人事担当者
  • 職場に活気がなく、どう対応すればいいのか分からない人事部門の方

明日から使える実践的な人事スキル

人事の仕事をするにあたって、数字による管理は重要になります。現場で知っておくべきデータ分析の手法や、実務処理を素早くするためのノウハウが書かれた2冊を最後にご紹介します!

経営力を鍛える人事のデータ分析30

人事に関する定量的なデータの見方をざっくり学べます!

人事は、採用や教育といったコミュニケーションが中心の業務だけではなく、様々なデータを分析して組織戦略を考えなければいけません。

データ分析をすべき指標例
  1. 労働力人口
  2. 平均勤続年数
  3. 失業率
  4. 平均給与
  5. 適正人員数
  6. 直間比率
  7. 雇用区分比率
  8. 人員構成ギャップ
  9. 管理職比率
  10. 平均年齢
  11. 自己都合退職率
  12. 理論新卒採用人数
  13. 労働分配率
  14. 人件費伸縮性
  15. 賞与業績連動性
  16. 労働生産性
  17. 給与水準
  18. 生涯収入
  19. 給与レンジ
  20. 人材流動性
  21. ハイパフォーマー・ローパフォーマー発生率 1
  22. 昇給額
  23. ハイパフォーマー・ローパフォーマー発生率 2
  24. スキルギャップ
  25. 人事評価データ
  26. 360度評価
  27. モチベーション
  28. リテンション率
  29. 将来予測人件費
  30. 再雇用率

かなり盛りだくさんのデータ活用方法が記載されており、この中でも

自己都合退職率や労働分配率、労働生産性は特に押さえておきたい項目ですね。

ここまで人事データを細かく解説している本はあまりないので、オススメです。

このような方はぜひご一読ください!
  • 人員構成・管理職比率などを理解した上で人材配置を行いたい
  • 定量的なアプローチから、人事業務を見直したい

人事・労務担当者のためのExcel&Wordマニュアル

元マイクロソフト勤務の社会保険労務士という異色のキャリアを持った方が執筆されています!

従業員の給与分析や入社年月日からの勤続年数算出など、少し手間が掛かる作業も、Excelの使い方を知っているのかどうかで効率は変わります。

サンプルデータが付属しているので実際に手を動かせたり、事例を元に操作方法や作業効率の上がる方法が載っていますので、人事部に一冊あると便利ではないでしょうか。

このような方はぜひご一読ください!
  • 人事に関するデータを分析するに辺り、必要な関数を学びたい
  • 実務をする上で、知っておくべきExcelの基礎知識を勉強したい

知識をつけて人事担当者として走り出そう

人事の仕事は奥が深く、この本を読んだからできる!というものではありません。今回は、実際に私が人事業務を行う上で役に立った書籍を紹介しましたが、ある意味スタートラインに立つための本も挙げております。

ぜひ「これから人事の仕事にチャレンジします」という方はご一読いただき、仕事を進める上でのヒントを学んでいただければと思います。

また、今は別の仕事をしているけれど、将来人事部で働きたい!とお考えの方も、まずは一冊、手に取ってみることをオススメします。

社労士の方向けにオススメの書籍を紹介しておりますのぜぜひご一読ください。

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「人」に関する仕事ですので、答えはありません。ただし、課題解決に近づくためのヒントは本の中に散りばめられているので、ぜひ活用してください。

こういった実務関係の本は非常に重たいので、Kindleに入れるというのも一つの手ですね!

ABOUT ME
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合格率4.4%だった社労士試験を一発合格。社労士法人で修行した後、メガベンチャーに転職。経営企画とかマーケティングとかコンサルティングをしています。