こんにちは、knotです。
事務職は人気の高い職種ですので、就職や転職を考えている方も多いのではないでしょうか?一方で、
このようなお悩みもあるかと思います。
事務職は人気が高いだけでなく、会社によっては営業職や販売職と違ってそもそも必要としている人数が少ないために椅子の取合いになりがちです。そのため、事務職の採用倍率は30倍~50倍になることもザラにあります。そのため、少しでも採用される可能性を高めるために、現場で使える資格取得を目指される方も多いでしょう。
今回は事務職を目指したり、実際に働く上で役に立つ資格を5つご紹介いたします。また、単なる資格紹介ではなく「事務仕事 おすすめの資格」「事務 資格 役に立つ」等、皆さんが本当に使えるの?と疑問を抱かれるケースもありますので、
人事・労務として事務仕事にも従事している経験から、現場目線での解説も取り入れてお伝えいたします。
実際に働くシーンを想像しながらご一読いただけますと幸いです。
事務職で使える資格はこの5つ
事務に求められるスキルから逆算すると、オススメの資格として下記5つを挙げさせていただきます。
- MOS(Excel・Word)
- 給与計算実務能力検定2級
- 秘書検定2級
- 日商簿記2級
- 情報セキュリティマネジメント試験
なぜこの5つの資格なのか解説する前に、事務職ってどのようなスキルが必要とされるのか考えてみましょう。
事務に求められているスキルとは?
実体験から、事務仕事の中で重要視される項目は、
- コミュニケーション能力
- 精度の高さ(正確さ)
- スピード(期日・納期の遵守)
この3つではないでしょうか。
「事務の仕事って、書類の整理とか、伝票の数字を確認したりするだけじゃないんですか?」という声も聞こえてきそうですが、
事務の仕事ほど適性診断が図りにくい職種はないと感じます。
コミュニケーションが必要となる理由とは?
まずはコミュニケーションですが、事務の仕事は単なる書類の整理に留まりません。
会社の規模・業界によって多少異なりますが、一般的には「来客の受付・案内などの諸対応」「電話・メールの対応」といった、社外の人とのやり取りも求められるケースが多くあります。
また、それ以上に社内メンバーとの接触頻度は高く、書類の作成依頼や伝票の整理、領収書の確認といった細かなやり取りが発生しますので、「事務職=オフィスで黙々と作業」という認識で働いてしまうと、理想と現実のギャップ差で躓きかねません。
事務職というより仕事全般に言えることですが、業務上の内容について分からないことがあればその都度同僚に助けを求めなければ、ミスに繋がってしまうため、コミュニケーションのスキルは必要不可欠なのです。
精度の高さ(正確さ)が活かされる場面とは?
事務仕事は作業の正確性が求められます。扱う範囲には伝票・領収書といった数字があり、入力・計算ミスが起こってはいけません。
バックオフィス業務の本質は、営業の方や現場の方が働きやすいようにサポートすることにあるため、依頼された仕事は精度が求められるのです。
スピードが求められる業務の裏側
事務の仕事の多くは、納期が明確に定まっています。
特に中小企業で働く場合の事務は、総務・経理を兼任することもありますが、伝票や給与計算については締日があり、守らなければいけません。
これらの業務のスケジュールを押さえた上で、計算や資料作成を進めるために、処理スピードが必要になります。
また、このスピードには自身の能力だけでなく、「◯◯さんがまだ領収書を出してくれていないので、再度提出のお願いをしよう」と必要に応じて進捗を見直すことも求められますでの、業務全体のスピード感とも捉えることができます。
求められる人材になるための資格
事務職では、「コミュニケーション×正確性×スピード感」が重要視されるとお伝えしましたが、
このスキルを身につけるためには冒頭で取り上げた5つの資格が適切と言えるのです。
また、資格については
- どのようなシーンで活用できるのか?
- 資格の特徴を知りたい
- 実際に勉強した方の意見を参考にしたい
このような疑問があるかと思いますので、それぞれの資格について解説いたします。
MOSとは?
皆さんは、日々の仕事でWordやExcelを使っていませんか?
MOSとは正式名称を「Microsoft Office Specialist」と良い、Word、Excel、Power PointといったOffice関係のソフトをどの程度使いこなせているのか、マイクロソフトが認定している国際資格です。
WordとExcelに関しては、
- 一般レベル
- 上級レベル(エキスパート)
2つの難易度に設定されておりますが、事務職のレベルであれば一般レベルで十分役に立つでしょう。
MOSの特徴
Excel一般レベルを例にしますと、
- 関数を使用してデータを集計する
- 関数を使用して条件付きの計算を実行する
- 関数を使用して書式を設定する、文字列を変更する
- グラフを作成する
といった内容が習得できるため、日々の領収書や伝票整理を効率的にできるようになります。
MOSに関する体験談
実際にMOSの資格を取られた方からの評判を見てみると、
履歴書でのアピールや事務職への転職するための糸口として考えているようです。
特に履歴書に書ける資格というのは大きい評価ではないでしょうか。
給与計算実務能力検定2級とは?
給与計算は、従業員が1名でもいると、どのような中小企業・団体であっても、毎月必ず行われておりますが、この試験では給与計算業務を正しく行うための税金や社会保険の知識、労働基準法等を広く学ぶことができます。
給与計算実務能力検定には、1級と2級が設けられております。1級の場合は即戦力になり得る知識が学べますが、その分難易度も高いためまずは2級の受験をオススメします。
給与計算実務検定2級の特徴
2級とはいえ、給与計算実務検定では、
- 給与計算を想定した計算問題
- 法律的な知識
を学ぶことができますので、十分現場で評価をいただけるかと思います。
給与計算実務能力検定に関する体験談
実際に給与計算実務能力検定の資格を取られた方からの評判を見てみると、
採用に携わる総務・人事といった事務系の仕事に直結するためオススメの資格と言えます。
秘書検定とは?
事務職の仕事は、受付や電話対応といった社外の方と接する機会もありますが、不適切な言葉遣いや応対をしてしまうとビジネスに支障をきたす恐れがあります。そのため、相手が気持ちよく接してくれるマナーは必要不可欠なスキルです。
広くビジネスマナーを学ぶことができる秘書検定は、事務職を目指すのであれば取得して損はないでしょう。。
秘書検定は下記のように1級から3級までありますが、受験層と試験内容からまずは2級の合格が一つの指標となります。
等級
|
概要 |
受験層
|
---|---|---|
1級
|
・上司の仕事を把握し、秘書が何をすべきなのか、どんなサポートができるのか先を読む能力が求められる等級。 | 社会人 現役秘書 |
準1級
|
・上司からの相談や後輩へのアドバイスができる、判断力が対応力が養われる等級。この級から筆記試験合格の後は二次試験(面接試験)があり、人柄の表現力についても問われる。 | 大学生 社会人 |
2級
|
・上司の身の回りのサポートをするために、物事の優先順位を考えられる能力が必要になる等級。 | 大学生 社会人 |
3級
|
・基本的な職場常識を問われる等級。 | 高校生 |
秘書検定2級の特徴
秘書検定の2級では、
- 来客は取り次がないよう指示された場合の対応
- 略語の正しい組み合わせ
- 不祝儀袋の使い方
- 手紙の慣用語の使い方
- 会議の案内状の時間が違っていた際の対応方法
このような現場を想定した知識を学ぶことができます。そのため、受付や電話当番をメインに行う事務職が向いている資格と言えます。
秘書検定に関する体験談
実際に秘書検定の資格を取られた方からの評判を見てみると、
事務職のための資格試験という枠を超えて、社会人として成長ができる資格であることが分かります。
日商簿記2級とは?
日商簿記は、恐らく経理・財務の資格の中で最も有名な資格ですので、ほとんどの方が一度は聞いたことのある・目指したことのある資格なのではないでしょうか。
経理会計に必要な、入金出金の伝票作成方法や、領収書の仕分けから決算処理の方法、税務処理といった広い知識を養うことが可能です。
日商簿記2級の特徴
日商簿記の2級では、下記のような簿記知識が問われます。
- 商業簿記……主に日本企業の大半を占める中小企業の株式会社の会計処理の知識が中心。財務諸表の読み方や、そこから経営状況を把握できるなど、企業活動における経理処理・分析能力が問われる
- 工業簿記……製造業を対象とした簿記。例えば、取引先から材料を仕入れ、自社向上で組み立て・加工を施して製品を完成させ、その後に販売するという仮定の中でお金がどのように動いているのか、原価計算などを問われる
中小企業での実務が対象となる資格ですので、経理部門の事務員として就職・転職時に重宝される資格と言えます。
日商簿記2級に関する体験談
実際に日商簿記2級の資格を取られた方からの評判を見てみると、
安定した年収かつ長く働ける資格の一つであることが分かります。ただし、難易度が高い資格ですので、計画的に勉強する必要がありますね。
情報セキュリティマネジメント試験とは?
「事務職なのに情報セキュリティ?」と疑問が浮かぶ方もいらっしゃるかと思います。
情報セキュリティマネジメント試験は、あくまでも入門レベルの知識になりますのでIT業界への就職・転職には活用がし難いですが、
現在中小企業の多くはデジタル化を進めており、最低限のセキュリティ知識に対応できる人材が必要となっております。特に事務職において、最近では脱はんこが叫ばれておりますが、セキュリティ知識が乏しければ対応はできません。
そのため事務職であってもITの知識があれば一つ上のランクとして捉えてくれることになります。
情報セキュリティマネジメント試験の特徴
情報セキュリティマネジメント試験では、下記のような情報管理に関する知識が広く問われます。
情報セキュリティ全般:機密性・完全性・可用性、脅威、脆弱性、サイバー攻撃手法、暗号、認証 など
情報セキュリティ管理:情報資産、リスク、ISMS、インシデント管理などの各種管理策、CSIRT など
情報セキュリティ対策:マルウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アクセス管理、情報セキュリティ啓発 など
情報セキュリティ関連法規:サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法 など
独立行政法人情報処理推進機構「試験内容」より引用
セキュリティの基本からネットワークビジネスやシステムといった関連知識だけでなく、クラウドサービスの安全な利用方法といった時流に適した内容も学べるため、機密情報を取り扱う事務職に適した資格です。
情報セキュリティマネジメント試験の評判
実際に情報セキュリティマネジメントの資格を学ばれた方等の評価を見てみると、パソコンを日常的に利用する事務職だからこそ必要な資格と言えるでしょう。
注意点として、セキュリティ意識の低い企業からするとプラス評価は頂きにくい資格でもありますので、今回ご紹介した他の資格を持っている方がさらなる自己研鑽として取り組みされることをオススメします。
資格概要のまとめ
資格名 | MOS(スペシャリスト) | 給与計算実務能力検定2級 | 秘書検定2級 | 日商簿記2級 | 情報セキュリティマネジメント試験 |
---|---|---|---|---|---|
合格率の目安 | 80~90% | 65~80% | 60~70% | 20~30% | 50%前後 |
試験内容 | コンピュータを使った実技試験(CBT) | 知識問題35問(四肢択一、マークシート方式) 計算問題5問(四肢択一、マークシート方式) |
選択問題(マークシート方式) 記述問題 |
記述式 | 多岐選択式(マークシート方式) |
勉強期間の目安 | 40~80時間 | 40〜50時間 | 30~50時間 | 250~350時間 | 200~250時間 |
試験日 | 毎月1~2回 | 年2回 (3月・11月) | 年3回(2月・6月・11月) | 年3回(2月・6月・11月) | 年2回(4月・10月) |
試験時間 | 50分 | 120分 | 130分 | 120分 | 180分 (午前90分・午後90分) |
受験費用 | 10,780円 | 8,000円 | 4,100円 | 4,720円 | 5,700円 |
事務職に転職するためには
事務職と言えば、Excel(SUM関数、VLOOKUP関数、フィルター機能)が多少扱えれば転職ができるという考えも過去にはありました。しかし、今では人気の職種となった為、就職・転職戦線を勝ち抜く必要があります。
面接では必ず「なぜこの会社なのか」「なぜ事務職なのか」といった質問がなされるケースが多く、自分の強みや軸がしっかりとしてなければ、テンプレートの解答になってしまい他の求職者の方に埋もれてしまう為、不合格の可能性が高まります。
必ず、自分の経験を活かすための目的を明確にしておきましょう。そのためにも、資格取得は必ず役に立ちます。公的期間が「この人は◯◯の能力がある」と第三者証明をしてくれるのが資格なのです。
今回は、事務職に就職・転職する際に求められる3つのスキルと、5つの資格を紹介しました。それぞれのスキルと資格の関係性を簡単に表すと、このようになります。
まずは自分に足りない部分・伸ばすべきスキルを確認した上で、この資格であれば就職活動を勝ち抜ける!という資格を選択いただければ幸いです。